香川県の景色には特徴がある。讃岐平野に2-400mの低山があちこちに散在している。白山、由良山、上佐山などポッコリと平野に浮き上がっている。日本列島形成の歴史によれば、日本列島は太平洋プレート、フィリピンプレートと大陸プレートの3つがぶつかり合う箇所の近くに形成されている。そして太平洋プレートが大陸プレートの下に潜り込み、一方、フィリピンプレートも大陸プレートを押しているが太平洋プレートが横からその下に潜り込む力が働いている。近畿、四国、九州はフィリピンプレート上にあり、横から太平洋プレートの圧縮力が働き、平面に皺が寄るように凹凸ができ、近畿から九州まで山と谷が交互に分布している。和歌山の山地、紀伊水道、淡路島や小豆島の諸島、そして五色台、しまなみ海道を支える諸島、豊後水道など凹凸が交互に繰り返している。その中には飯野山、白山など「おむすび」状の山があり、小規模ながら讃岐富士とも言われ、美しい景観となっている。上佐山もそのひとつである。名古屋のある濃尾平野、東京を含む関東平野に住んだことがことがあるが、香川のように低山が平野のあちこちに存在する地形はまれである。それだけ、得難い財産と言えよう。香川に生まれ育って、低山が普通に近くにある環境の珍しさに気の付かない人も多い。四国八十八カ所巡りに相当する観光資源になりうる四国の景観的財産であろう。(サイト補助者MM)