私はコーヒーが好きで一日に5杯くらい飲む。頭がすっきりするからという面もあるが、緑茶や紅茶よりも飽きが来ない。香ばしい香りが空腹時にも食後にも心が落ち着く。いつ頃から飲み始めたのかはっきりしないが、最初の記憶は小学生の時にブラジルからの客人から缶入りの粉コーヒーをお土産にもらったがその強い香りが記憶に残っていて、本場のコーヒーの味として強い印象を受けた。後年、米国のスーパーで見つけて懐かしい味を堪能した。
大学生になって(1970年代)、下宿でコーヒーサイフォンで入れたコーヒーをごちそうになり、ブラックコーヒーの味を覚えた。自分でも時々コーヒー豆を買うようになったがその頃は贅沢品であった。大学院生の時には研究室に配属となり、机を与えられ、教授を頂点として10人前後の集団で研究生活を送ったが、その談話コーナーには常に本物のコーヒーがポットで入れてあり、自由に飲めるようになっていた。コーヒー代としてなにがしかの集金があったように思うがはっきりしない。教授はアメリカ生活の経験もあり、無くなるとその秘書がコーヒーを入れていた。アメリカのスタイルではないかと思う。
結婚して新婚旅行にインドネシアに行ったが、インドネシアのコーヒーも特徴がある。上澄みを飲むようになっていて、カップの底には泥のようなコーヒーが残る。これも好きであった。会社に入り、時々海外出張するようになり、特にスイスは開発製品の標準化会議が定期的にあり、何度も出張した。そして、会議の合間にコーヒーを飲むのであるが、小さいカップのエスプレッソしか選択肢はなかった。食後には濃厚なコーヒーは眠気を吹き飛ばすのによかったが、午後から夕方までの休憩にその都度、飲むと胃もたれした。このころ、エスプレッソを淹れるアルミ製のポットをお土産に購入したが淹れ方が判らず、ついに使ったことがなかった。研究者が集まり互いに研究成果を発表する国際会議が開かれており、私のような企業の研究者も成果がでると投稿して採用されると出席できたので励みにして研究したが、そのような国際〇〇会議は大抵、コーヒーブレークがあり、スポンサーが宣伝を兼ねてコーヒーをサービスしていた。このコーヒーは大抵アメリカンというあっさりしたもので何杯も飲めるものである。米国の場合、宿泊するホテルのロビーには大抵コーヒーは無料で飲めるようにポットかサーバーが置いてある。米国では食べ物については大様な面がある。レストランでは大抵、食べ残すくらいの量が提供される。余ってしまうので、ドギーバッグをもらって包んで持ち帰ることも多い。どうして、余るほどの量を出すのかと現地の人に聞いたことがあるが、量が適度のレストランは流行らなくなりやがて消えていくという。底流として、食事の量はけちけちしない文化なのである。コーヒーは日本で言えば、水かお茶を出す感覚である。米国に駐在したときにはオフィスの休憩コーナがあり、ちょっとしたお茶菓子や飲み物がいつも用意されていた。部署によって異なるがコーヒーは材料だけが提供されて、自分たちで淹れるようになっていた。カプセルタイプのコーヒーでカプセルはデカフェとカフェイン入が用意されていた。味はそれなりであったが濃さに好みがあるようで×2、×3と表示のあるポットにはその表示通りのカプセル数で淹れた濃いコーヒーが入れてあった。米国から戻ってきて、このカプセルタイプのコーヒーが日本でも売られており、その中でネッスル社のネスプレッソというブランドのコーヒーとそのメーカーを購入して飲んでいる。このカプセルはいろいろの選択史があり、エスプレッソもあるし、苦味もいろいろなランクがあり、いろいろ揃えてバラエティを楽しんでいる。基本はヨーロッパスタイルの濃いコーヒーが中心であったが、最近、アメリカンタイプのカプセルとそのメーカーも出てきた。退職時にスペインに妻と旅行したが、旅行の合間にカフェでコーヒーを頼むと濃厚なエスプレッソが出される。カプチーノというと結局、ミルク入りのエスプレッソであった。朝の駅構内の売店カフェでもエスプレッソである。プラド美術館では見回った後、出口付近の館内売店のコーヒーを頼むとそれはネスプレッソのカプセルコーヒーであった。プラド美術館でも認めているのであろう。
コーヒーの味ではドーナッツ屋さんのコーヒーが好みである。甘いドーナッツに合う苦味が心地よい。ミスドもダンキンドーナッツもコーヒーを飲むために行くことがある。スタバやタリーズなどはそれぞれ特徴のあるコーヒーを出しているし、やはり美味しい。スタバのコーヒーはコストコでスタバロースト豆が売られており、ほぼ同じ味なので経済的でよく購入する。スタバの立上げ時にコストコがローストしたらしい。その縁でスタバロースト味を楽しめる。しかし、スタバなどコーヒー専門店はクリームやチョコなどアレンジコーヒーやちょっとしたケーキなどの軽食に魅力を感じる。
いくら美味しいコーヒーでもそればかり飲んでいると浮気したくなる。いつもは深入りのコーヒーをアメリカンで飲むのであるが、濃厚なエスプレッソを味わいたいときにはイタリアの「ラバッツァ」というメーカのクオリタというブランドが美味しい。娘夫婦が飲んでおり、美味しいので教えてもらった。人気なのかいつもあるわけではないが輸入食材店で入手できる。コーヒーカップに袋入りをセットするドリップコーヒ―が人気であるが、一杯だけ飲む時に便利である。いろいろ試して深入りの銘柄を見つけた。夕食後の一杯に飲むことが多い。また、インスタントコーヒーも無糖の紙パック入りコーヒーも時間がなく、単に喉をうるわせる時には手軽でおいしい。
こうして見ると結局、コーヒーは生活の場面に合わせていろいろ飲んでいる。カロリーが無く、健康にもそれほど害がなく、頭がすっきりして落ち着く飲み物はコーヒーが一番である。(サイト補助者MM)